乾徳山 草原の中から鋭く屹立する奥秩父の前衛峰

乾徳山の鳳岩
山梨県山梨市にある乾徳山(けんとくさん)に登りました。
奥秩父の主脈から少し南に外れた位置にある前衛の山です。非常にアスレチックな岩場が歩きが出来ることで知られており、特に山頂直下にある高さ20メートルの一枚岩は、圧巻の光景です。
真夏の盛りに、岩場で胆を冷やす山旅をしてきました。

2015年8月2日に旅す。

乾徳山は奥秩父山塊主脈から少し南に外れた位置に屹立する岩峰です。
小楢山の幕岩から見た乾徳山
標高2,000メートルほどの山ながら、割と本格的な岩登りができる山として知られています。首都圏近郊で、そこそこ難易度が高くてスリルのある山をお探しの人にピッタリの山と言えるでしょう。

岩場が余り得意ではないオオツキですが、巻き道もあると言う言葉に背中を押されて、チャレンジして来ました。

8時30分 JR中央本線 塩山駅
乾徳山の登山口へ行くには、ここから西沢渓谷行きのバスに乗ります。
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ちなみにこの駅の名前は「しおやま」ではなく「えんざん」です。大事なことなので2度言います。「しおやま」ではなく「えんざん」です。

素で間違えて恥をかいた私が言うのだから間違いありません。

バスは谷間の道をクネクネと進み乾徳山登山口を目指します。

到着したら、まず始めに帰りの時刻表をチェッーク。リミットは16時8分ですが、私は温泉に寄りたいので、その一つ前のバスを狙います。
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始めはしばらく川沿いの舗装道路を歩きます。魚の養殖場がありました。
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途中から砂利道に変わります。この林道歩きが結構長めです。
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ガイドマップをチェック。今日は地図を忘れてくると言う山舐めここに極まれりをやらかしてしまったので、ここでしっかりとルートを確認します。
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9時35分 延々と林道を歩き続けたところで、ようやく登山口に到着です。
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樹林帯の道が始まります。それでは気合を入れてタイムタック登山を開始することにしましょう。そう、すべては風呂のために。
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この写真を撮るためカメラをポーチから出し入れした時に、モードダイヤルを引っ掛けてAモード(絞り優先オート)にしてしまったようです。

普段はPモード(プログラムオート)しか使っていなかった為、モードが変わっていることに気がつきませんでした。そのためこの後しばらくの間、絞り開放で撮影した露出オーバー&ピンボケの写真が続きます。

何となく支線を感じてふと見ると、道の脇に鹿が居ました。
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最初の水場に到着しました。銀晶水と呼ばれている水場です。
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冷たくてとても美味しい。なお、足元がぬかるんでいて、近づくと靴が埋まります。これは持論ですが、水の美味しさ=水の冷たさだと思うんです。夏場においては特に。
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しばらく登るとまた水場があります。錦晶水です。こちらは水量豊富で、すごい勢いで噴出していました。
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この日はうだるような暑さだったので、ここで頭から水を被りクールダウンしました。ついでに速乾性タオルも洗って絞り、リフレッシュです。

食事中の小鹿がいました。よくよく周囲を見ると、この周囲は鹿だらけでした。
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樹林を抜けて視界が開けました。正面に見えているのが本日の目的地、乾徳山です。
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10時45分 国師ヶ原に到着しました。乾徳山へ向かうルートは複数存在しますが、ここがその合流地点となっているようです。地図を忘れた山ナメ男なので良くわかりませんでしたが。
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奥に見えているのは高原ヒュッテです。かつては営業小屋でしたが今では廃業し、無料の避難小屋として開放されています。
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ここから扇平までは一面の草原が広がっています。開放的で気持ちの良い空間ですが、直射日光に晒されて恐ろしく暑い。
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月見岩なる岩がありました。思わずよじ登りたくなる見た目をしております。
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ネタバレすると、裏から簡単に登れます。
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天気が良いとここから富士山が見えるらしいのですが、この日は霞がかっていて、遠くは見えませんでした。
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11時20分 扇平に到着しました。広々とした実に気持ちの良い草原が広がっていました。
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ここを過ぎるといよいよ岩場が始まります。乾徳山は、下は樹林帯、中腹は草原、山頂部には岩場と、まったく異なる3つ顔を同時に持ち合わせてる山であります。
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髭剃岩なる岩がありました。無理やり通り抜けようとすると、顔面が擦れて髭が剃れるということでしょうか。
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スリムな人であれば、横向きになれば通り抜けられるかも知れません。ウェスト88センチの私には関係の無い話ですが。

だいぶ高度感が増してきましたよ。楽しくなって来ましたよ。
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岩の隙間のすごい所に道がついていました。
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岩の隙間に設置された木の梯子を下ります。なんか真ん中らへんがポッキリ折れてませんか?
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下から見上げるとこんな感じです。やっぱり折れていました。
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続いて出現したのがこのカミナリ岩です。
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クサリ場になっています。このボコボコした岩肌を稲光に見立てているのでしょうか?
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足場はしっかりとしているので難しくはありませんが、高度感があって結構怖い。

これは胎内と呼ばれる岩です。小柄な人なら中に入って見ることも出来るかも?
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さて、いよいよ最後の難関、鳳岩までやってきました。
乾徳山の鳳岩

見上げるとこんな感じです。高さはおおよそ20メートルあります。真下に立つと凄い迫力です。
乾徳山の鳳岩
乾徳山というワードでグーグル画像検索すると、このアングルの写真が山ほど出てきます。正にこの山を象徴する岩場です。

取り付き始めはこんな感じです。上の方まで行くと足場に出来るステップが出現しますが、はじめの数メートルは腕力にモノを言わせてよじ登るしかありません。
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途中で腕の力が尽きると、確実に死ぬか大怪我をします。ここは短期決戦で、握力がなくなる前に素早く上りましょう。自信が無ければ、右の方に巻き道があります。

12時 乾徳山に登頂しました。鳳岩を何とかよじ登ると、そこはもう山頂です。
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こんな山にノコノコと出向いて来ておいて言うのもなんですが、私は岩場が得意ではありません。あー、おっかなかった。

山梨百名山であることを示す標識。数えたことはありませんが、結構な数を登っている気がします。
乾徳山の山頂標識

祠がありました。乾徳山の山頂からは360度の展望が広がりますが、地図を忘れて来てしまった私はお楽しみの山座同定が出来ません。
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北側の展望
左手前に見えているのは黒金山(2,232m)。奥に見えているのは甲武信ヶ岳(2,475m)かな。地図が無いから良くわかりません。
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南西の展望
大菩薩嶺などが見えるはずだけれど、地図が無いので良くわかりません。
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北西の展望
雲取山などが見えるはずだけれど、地図が無いから良くわかりません。
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山頂直下は断崖絶壁です。あまりウロウロしていると大変危険です。足元には十分気をつけましょう。
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帰りは鳳岩は下らずに巻き道を使います。
乾徳山の巻き道

こんな感じにハシゴがかけられた道があって、鳳岩を迂回できます。
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カミナリ岩を下ります。登りより下りのほうが圧倒的に怖いです。鳳岩と違ってこちらには迂回路がありません。
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気の抜けない下山が続きます。
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扇平まで戻ってきてようやく安堵のため息が出ました。やはり私は岩場が苦手です。
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振り返ってみる乾徳山。実に楽しい岩場歩きでした。ありがとう乾徳山、きっとまた来ます。今度は地図を持って。
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暑さと緊張で喉がカラカラです。錦晶水をがぶ飲みしました。
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頭から水浴びしていたら何故か鹿に見られていた。
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例によって例のごとく、この後私の関心は温泉に移ってしまったらしく、この先の下山の模様を写した写真が1枚も残っておりませなんだ。

14時45分くらいにバス停に帰り着き、そこからわざわざ帰りと反対方向の西沢渓谷行きのバスに乗って温泉に行きました。

笛吹きの湯という名の村営温泉で、入浴料は確か500円くらいだったような。

観光客向けではなく地元の人のための施設といった感じで、小さいながらも露天風呂もあってなかなか良い雰囲気でした。

乾徳山は草原あり鎖場あり展望ありと、いろいろ盛りだくさんの贅沢な山です。高度感があって結構怖い場所もありますが、特別な登攀技術など無くても登ることが出来ます。
都内からの公共交通機関のみを使用して日帰りしようとすると、コースタイム的にあまり余裕がなくアクセスにやや難ありの山ともいえますが、多少遠くとも訪れる価値のある山だと思います。平凡な日常生活の中で刺激に飢えている人に特にオススメです。

<コースタイム>
乾徳山登山口BS(9:05)-登山口(9:35)-国師ヶ原(10:45)-扇平(11:20)-乾徳山(12:00~12:30)-扇平(13:00)-乾徳山登山口BS(14:45)

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. アオイ より:

    こんばんは(^^)

    まさか登った時期が同年の同じくらいの時期でした。それにしても年代を感じさせないほど、どの山の写真もお綺麗ですね。
    私のは当時のスマホでとった写真なので汚い写りです^^;

    登山デビューした時に始めて登った山です。この次に黒金山を登りました。乾徳山はスニーカーにジーパンとゆう、初心者ながらに恐ろしい服装で登りました
    休憩ものんびりとりすぎて16時前に下山しました‥。

    登りなくても行けない山もあるので、色んな山をレポートしてくれて読むのが楽しいです。

    • オオツキ オオツキ より:

      アオイさま
      コメントを頂きましてありがとうございます。

      高尾山や筑波山などの初心者向け定番の山からではなく、いきなり乾徳山から登山を始めるとはかなり異色の経歴ですね。

      私が乾徳山に登ったのはまだこのブログを書き始める前のことで、ちっこいコンデジで写真を撮っていました。

      当然記事化することなどまったく考えてずに撮影していたので、今改めて見返すと結構場面が飛び飛びな稚拙な内容で、お恥ずかしい限りです。機会があれば再訪して、もっと詳細にレポートし直したい一座です。