小川山 シャクナゲと苔生す幽境なる森が広がる裏瑞牆の深山

金峰山からみた小川山
山梨県北杜市と長野県川上村にまたがる小川山(おがわやま)に登りました。
裏瑞牆と呼ばれる瑞牆山の背後に位置し、花崗岩からなる岩稜帯と、いかにも奥秩父らしい苔生す森に覆われている深山です。クライミングの対象として知名度のある山ですが、登山の対象としてはまったくメジャーではなく、ほとんど登る人はいない静かなる山域となっています。
シャクナゲが咲く季節を狙い、長野県側の廻り目平から山梨県の瑞牆山荘へと抜ける、縦断コースを歩きて来ました。

2022年6月4日に旅す。

小川山は奥秩父の山梨県と長野県の境界上に立つ山です。瑞牆山と金峰山の背後にある山であると言えば、だいたいの位置が伝わるでしょうか。
男山から見た小川山
山梨百名山に名を連ねている一座ですが、手前に位置している金峰山に遮られるため、山梨県側からはその姿が全く見えません。ドッシリと構えた大柄な山であり、北の長野県側から見ると目を引く存在です。

山頂部まで樹林帯に覆われている山であるため、展望には恵まれていません。山深い場所にあるため交通アクセスも良好とは言い難く、登山の対象としては極めて地味な存在です。

奥秩父の山の例に漏れず、小川山にもシャクナゲが多く自生しています。地味な山行きに少しでも彩を加えようと、シャクナゲが咲く時期を狙って訪問して来ました
小川山のシャクナゲ

前評判の通り山頂には一切の展望がありませんでしたが、道中の所々に開けた場所があり、全体を通じてみると意外にも眺めは悪くありませんでした。
小川山から見た瑞牆山
極めてマイナーな県境の深山を歩いて来た一日の記録です。

コース
220604小川山-map
長野県川上村の川端下バス停よりスタートし、金峰山荘からカモシカ登山道を登り小川山へ。下山は山梨県側の瑞牆山荘へと抜けます。

県境を越えて小川山を縦断する行程です。

1.小川山登山 アプローチ編 始発電車を乗り継いでゆく、長野県川上村への旅路

4時30分 2週連続でJR三鷹駅よりおはようございます。
早朝の三鷹駅
本日の行程は遠路はるばる長野県側からのアプロ―チとなるため、小海線への乗り継ぎの都合もあり朝っぱらから自転車をこいでやってきました。

三鷹駅から高尾、大月、甲府へと始発電車リレーを継投して行きます。過去に何度も辿っている乗り継ぎなので、もうすっかり慣れっこです。
早朝の甲府駅のホーム

7時26分 小淵沢駅に到着しました。三鷹駅の始発電車に乗ることさえ出来れば、これだけ早い時間に小淵沢駅に降り立つ事が可能です。
小淵沢駅のホーム

次は小海線に乗り換えるのですが、少し待ち時間があるため屋上の展望スペースでしばし時間を潰します。目の前に八ヶ岳がドーンとあり、素晴らしいロケーションの展望所です。
小淵沢駅から見た南八ヶ岳

反対側の南側に目を向けると、甲斐駒ヶ岳が正面にあります。この山はいつ見てもイケメンです。
小淵沢駅から見た甲斐駒ヶ岳

遠くにはまるで雲に浮かぶようにして富士山の姿も良く見えました。少々雲が多めではあるものの、本日は上々のお天気であるようです。
小淵沢駅から見た富士山

下車予定の信濃川上駅は交通系ICカードに対応していないエリアであるため、小淵沢駅で一度改札を出てから、切符を購入して再度入場します。
小淵沢駅から信濃川上駅までの切符

7時45分発の小諸行きの小海線に乗車します。八ヶ岳の麓の高原地帯を走る、極めてマイナーなローカル路線です。その割に、当ブログには割と頻繁に登場しているような?
小淵沢駅の小海線ホーム
単に私がマイナーな山にばかり登っているからですよね。はい。

JRの駅の中で最も標高の高い野辺山駅を過ぎると、千曲川に向かって緩やかに標高を落として行きます。
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8時28分 信濃川上駅に到着しました。その名の通り、長野県川上村の玄関口となる駅です。
信濃川上駅のホーム

駅では燕が今まさに子育ての真っ最中で、忙しく飛び回っていました。しかし、よりによってなぜトイレ表札の上でドヤ顔を決めているのだろうか。
信濃川上駅の燕

8時36分発の川端下行きの川上村村営バスに乗車します。バスは小海線の到着に合わせてやってくるため、待ち時間は殆どありません。
川上村の村営バス

バスは川端下には直行せずに、甲武信ヶ岳の長野側ルートの最寄りとなる梓山バス停を経由します。最寄りとは言っても、全然近くはありませんがね。
梓山バス停

9時8分 終点の川端下バス停・・・ではなくその手前に到着しました。どうやらバス停はこの鳥居の先にあるようですが、本日は工事中であると言う事で手前に降ろされました。
220604小川山-018
ここまでの運賃は580円でした。交通系ICカードには対応していないので、小銭を用意しておきましょう。

2.廻り目平へと続く下道歩き

なにぶん始めて来た場所なので、現在地が本来のバス停よりもどれくらい手前の位置なのか一切わかりません。ともかく身支度を整え、9時15分に行動を開始します。
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小川山の登山口があるのはこの先の廻り目平と呼ばれている場所なのですが、もともとバスはそこまでは入ってくれません。およそ1時間ほど下道を歩く必要があります。

ふと脇に目をやると、眼下に川端下バス停がありました。大して離れてはいなかったようで一安心です。本日の計画はコースタイム的に結構シビアであるため、ここであまりタイムロスをしている場合ではないのですよ。
川端下バス停

進行方向右手に見えているこの小型の瑞牆山の様な岩は屋根岩と呼ばれており、ロッククライミングの登攀の対象となっています。どうやら一般登山道は存在しないようです。
川上村 屋根岩

屋根岩の右奥に見えているのっぺりとした山が、目指す小川山です。遠目からでもはっきりと感じる、この隠しきれない地味山オーラよ。
川端から見た小川山

道沿いに進むと、大弛峠方面と金峰山荘方面の分岐が現れました。ここは右の金峰山荘方面へと進みます。
220604小川山-023

沿道にレンガツツジがチラホラと花を咲かせつつありました。もうそんなシーズンでしたかね。
廻り目平付近のレンゲツツジ

やがて前方に建物と道を塞ぐゲートが現れました。廻り目平に到着したようです。
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10時5分 金峰山荘に到着しました。金峰山の長野県側の入口に立つ、川上村村営の山荘です。
金峰山荘
金峰山を「きんぷさん」と読むのは山梨県側の呼び名で、長野県では「きんぽうさん」と呼びます。そのため、長野県側にあるこの山荘の読みかたも当然ながら「きんぽうさんそう」です。

山荘の周囲は廻り目平キャンプ場として整備されており、山荘への宿泊のほかにキャンプも可能です。
廻り目平キャンプ場のマップ
車でお越しの人はここまで入ってこれます。キャンプではなく登山する場合、駐車料金は500円です。

大変人気のあるキャンプ場らしく、オートキャンプ場の区画内は車で溢れかえっていました。しかし、ここへ小川山への登山を目的にバス停から歩いて来る人と言うのは、至って少数派なんでしょうな。
廻り目平キャンプ場

小川山への登山口は、キャンプ場内の道の脇にひっそりとありました。良く見ていないと見落としそうなくらいにさり気なくあるので、訪問の際には十分お気お付けください。
小川山カモシカ登山道の入り口
廻り目平から小川山へと至るルートは、カモシカ登山道という名称がつけられています。山梨県側から登るルートと比べると、岩場が多くなかなかアスレチックな道であるのだとか。

大いに期待して行ってみましょう。

3.花崗岩の岩場を行くカモシカ登山道

登り始めは緩やかな樹林帯です。落ち葉に覆われていて初っ端から踏跡がかなり心許ない感じですが、目印のマーカーが過剰なほどに付けられています。
小川山 カモシカ登山道

緩やかだったのは登り始めだけで、すぐに岩場の道となりました。この白く輝く岩は、一目でそれとわかる花崗岩です。
小川山 カモシカ登山道

前方に見上げる高さの岩壁が横たわっています。本当に登れるのかと不安に駆られるような険しい見た目をしていますが、しっかりと登山道は存在します。
小川山 カモシカ登山道からみた岩壁

6月上旬の奥秩父の山で忘れてはいけないのがシャクナゲです。見頃の時期を狙って訪問した訳なのですが、標高の低い一帯ではすでにシャクナゲシーズンは終わってしまっているらしく、かわりにトウゴクミツバツツジが見頃を迎えつつありました。
小川山のミツバツツジ

樹林帯に覆われており展望は無いとされている小川山ですが、こうして所々に岩場の開けている場所があり、意外にも眺めは悪くありません。なんだ、ちっとも地味では無いじゃないですか。
小川山 カモシカ登山道の展望地

お隣の金峰山も良く見えます。普段見慣れている山梨県側からの姿とは反対側から見た姿です。こちら側から見た時には「きんぽうさん」と呼ぶべきなのかな。
小川山 カモシカ登山道から見た金峰山

そこそこ急な登りをえっちらおっちらと登るうちに、ようやく待望の咲いているシャクナゲが姿を見せてくれました。待ちかねていましたよ。
小川山 カモシカ登山道のシャクナゲ

ここから先はシャクナゲのトンネルの中を進みます。やはり奥秩父の山の光景は、こうでなくてはなりません。
小川山 カモシカ登山道シャクナゲ

ハシゴも現れて、徐々によじ登る系の道になってまいりましたよ。今のところは特に難しい要素もなく、純粋に歩いていて楽しいと感じられるレベルです。
小川山 カモシカ登山道のハシゴ

なお、ハシゴの使用は自己責任でとのことです。そう言われても、使わないと言う選択肢はないのですがね。
小川山 カモシカ登山道のハシゴ

この小川山がある一帯は裏瑞牆と呼ばれており、確かに道中の雰囲気は瑞牆山とよく似ています。
小川山 カモシカ登山道
瑞牆山が日本百名山にも選ばれている大人気の山なのに対して、我らが小川山が人気知名度共にサッパリ低いのは、やはり山頂が地味だからなんでしょうかね。

登ったり下りたりと、なかなか忙しない登山道です。おかげで、結構な距離のあるルートでありながら、途中で単調さを感じる場面はほとんどありません。
小川山 カモシカ登山道のハシゴ

ルートが分かり難い場所にはしっかりとペンキマーカーによる導きがあります。このカモシカ登山道は全般的に、とても丁寧に整備されている印象です。これは整備してくれた人に感謝しないといけませんね。
小川山 カモシカ登山道

11時15分 分岐地点へとやって来ました。ここから唐沢の滝を経由して廻り目平に戻る周回ルートを取ることも出来ます。
カモシカ登山道 唐沢の滝方面への分岐
下山も川端下バス停へピストンする場合は、下山はこちらのルートを取るのが良いかと思います。私は瑞牆山荘へ抜けるつもりでいるため、もうここへ戻ってくることはありません。

4.小川山登山 登頂編 奥秩父の苔生す幽玄な森の先に待つ地味な頂

分岐を過ぎて以降も、しばしの間手も使う必要があるよじ登る系の登山道が続きます。
小川山 カモシカ登山道の岩場
本日はまだ一人の登山者ともすれ違っていません。こんなにも楽しいのに道なのに、小川山にまったく人気がないのは何故なのでしょうか。

続いて崖際を行く結構危なっかしいトラバースを進みます。樹林にガードされているおかげか、あまり高度感がありませんが、右側は断崖絶壁です。
小川山 カモシカ登山道のトラバース
そう言えば、肝心な申し送り事項を一つ伝達し忘れていました。このカモシカ登山道は、山と高原地図上では破線ルートの扱いです。

この木の根っこの上が登山道です。今はドライな状態なのでなんという事はりませんが、濡れていると嫌な感じのする要注意ポイントです。
小川山 カモシカ登山道

前方の視界の開けた場所が現れました。右奥に見えているのが目指す小川山の山頂です。まだまだ結構な距離がありますな。
小川山 カモシカ登山道の好展望地

鞍部に向かって下って行く過程で、再び周囲がシャクナゲのトンネルになりました。かなりの規模の群生地です。
小川山 カモシカ登山道のシャクナゲ

今がまさにちょうど見頃のど真ん中と言ったところでしょうか。陽の光に照らされた花弁が美しく輝いていました。
小川山のシャクナゲ

シャクナゲ地帯を抜けると、何時しか周囲はいかにも奥秩父らしい幽玄なる苔生す森へと変わりました。
小川山の苔生す森
この付近でようやく、この日始めてとなる他の登山者とすれ違いました。どこまでも静かなる小川山です。

奥秩父と言う言葉を聞いた際に、真っ先に脳裏に浮かぶ光景と言うのは、まさにこんな感じの森の光景なのではないでしょうか。奥秩父以外の何物でもないような光景です。地味って言うな。
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いつの間にか、金峰山の山頂にある五丈石も良く見える標高まで上がって来ました。
小川山から見た金峰山

金峰山方面への分岐地点が現れました。ここまで来れば、山頂まではもうあと一息です。
小川山 金峰山方面への分岐

山頂に向かってラストスパートです。圧倒的に森が濃く、この時点で既に山頂に展望が無いことが約束されてしまっている感じがします。
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12時50分 小川山に登頂しました。はははは、これはまたどびっきり地味な山頂ですねえ。評判通りです。だがしかしそれが良い。
小川山の山頂

山頂の様子
標柱の立っている地点の奥にもちょっとした空間があり、休憩スペースには事欠きません。もっとも、そんなに大勢が詰めかけるような事のある山ではありませんけれどね。
小川山の山頂

5.山頂の手間に位置する好展望地のシオサブ

13時10分 展望の無い山頂に長居しても得るものはないので、軽く腹ごしらえを済ませたところで出発します。下山は元来た道には戻らずに、先ほどの分岐まで引き返して金峰山方面へと進みます。
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正にこれぞ奥秩父であるといった雰囲気の道が続きます。道中いろいろと変化に富んでいたカモシカ登山道とは異なり、山梨県側の登山道は最初から最後までずっとこんな感じに単調です。
小川山 八丁平方面の登山道

しっとりと苔生す森の光景に癒されます。・・・見方をかえると、それくらいしか見所はありません。だがしかし、それが良い。
小川山 八丁平方面の登山道

踏み跡は意外にも明瞭ですが、足元の土が柔らかくあまり歩かれてはいないことが伺えます。あまり手入れはされていないと見えて、道を塞ぐ倒木が多めです。
小川山 八丁平方面の登山道

ここで突如視界が開けて、前方に絶景の予感です。山と高原地図によれば、ここはシオサブと呼ばれる地点です。
小川山 シオサブ

前方に大きく金峰山が横たわります。なにげに素晴らしい眺望の場所です。なんなら、もうここを小川山の山頂と言うことにして、山梨百名山の標柱もここに立ててしまえば良いのではないかと思うほどに。
小川山 シオサブから見た金峰山

この進行方向の正面に見えているいのは、大日岩と呼ばれる大岩です。この岩の手前にある八丁平を目指して下山します。
小川山 シオサブから見た大日岩

右手には瑞牆山があります。こうして裏側から見たのは始めなので、なんだかとても新鮮な感じがします。こちら側からだと、あまり特徴的ではない姿をしていますね。
小川山から見た瑞牆山

瑞牆山の山頂を最大望遠で覗いてみると、山頂にいる人影が何となく見えました。大人気の百名山らしく、あちらは大盛況であるようです。
小川山から見た瑞牆山の山頂 width=
それに比べて、我らが小川山の人気の無さよ。これが日本百名山と山梨百名山のブランドパワーの差なのか・・・

瑞牆山の背後には、南アルプスの山並みが連なります。右端に見えているのは、山梨百名山にも選ばれている鋸岳(2,685m)です。あそこへも、いずれは登りに行かなくてはなりません。
小川山から見た南アルプス

さらに右へ視線を向けると、南八ヶ岳の横岳辺りまでがギリギリ見えました。
小川山から見た八ヶ岳

反対方向の左側には三宝山(2,483m)と甲武信ヶ岳(2,475m)と木賊山(2,469m)が並んで立っていました。あの山の向こう側は埼玉県だと言う事です。
小川山 シオサブから見た甲武信ヶ岳

最後に、振り返ってみた小川山です。ふむ、やっぱり地味ですね。
オサブから見た小川山
小川山には展望が一切ないと聞いていたのですが、それはどうやら山頂に限ったの話であったようです。このシオサブは思ってもいなかった好展望地でありました。

6.小川山登山 下山編 瑞牆山荘へと足早に駆け抜ける

シオサブを過ぎると、今度こそ本当に展望は一切ない樹林帯となります。ほとんど傾斜もなく水平移動に近いような道であったため、半分駆け足で下りました。
小川山 八丁平方面の登山道

八丁平に近づてきたころで、ようやく真面目に標高を落とし始めました。相変わらず足元の土はフカフカしており、足に優しい登山道です。
小川山 八丁平方面の登山道

標高が下がるにつれて、周囲に再びシャクナゲゾーンが戻って来ました。地味な山ながらも、最後まで楽しませてくれます。
八丁平付近のシャクナゲ

急坂を下りきると広場状の空間へと飛び出しました。
八丁平

14時25分 八丁平まで下って来ました。標準コ―スタイムだと山頂から2時間10分かかることになっている道程でしたが、僅かに1時間20分で下って来た事になります。
八丁平
確かにかなりの速足で歩きましたが、それにしてもこの区間は、もともと甘めなコースタイム設定であったったようです。

八丁平~富士見平小屋まで、もうあと少し破線エリアが続きます。この付近は泥濘がひどく、靴が泥まみれになりました。
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同じ沢を2度ほど渡渉します。大した水量ではなくほぼ一跨ぎ出来ます。
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瑞牆山の花崗岩に磨かれたのであろう、非常に透明度の高い美しい沢です。ここでザブザブと、顔と言うか頭全体を洗ってサッパリとしました。これぞ坊主頭の特権です。
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しばし沢沿いの道を行きます。ここもやはりあまり歩かれてはいないらしく、道は崩落気味です。
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右手には、いつしか頭上高くに見上げる高さになった瑞牆山の姿がありました。いつ見ても見栄えがする山ですね。こうして見ると、やはり小川山とでは名山としての格の差が明らかです。
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爆音とともに頭上にヘリコプターが現れて、瑞牆山の周囲を旋回し始めました。何だろう。誰か滑落してしまったのでしょうか。
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あらためて最大望遠&目いっぱいトリミングした画像を見てみると、ウィンチで吊るされる人の姿が映っていました。
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登山道は無いヤスリ岩の中腹付近から救助されているように見えるので、登山者ではなくクライマーだったのかな。何れにせよ、無事に救助されたようで何よりです。

瑞牆山の登山道と合流しました。破線扱いなのはここまでで、この先はもう一般登山道です。
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一般登山道になれば歩きやすくなるのかと言えば、必ずしもそうとは言えず、ガラ石が散乱していて地味歩きにくい道です。
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振り返って仰ぎ見た瑞牆山は、ヘリコプターもいなくなり静寂を取り戻していました。
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15時30分 富士見平小屋まで下って来ました。ここでもテント場は大盛況でした。
富士見平小屋のキャンプ指定地

瑞牆山と金峰山と言うどちらも人気の高い山のちょうど中間地点にあると言うこともあって、富士見平小屋は大変人気のある山小屋です。初めてのテント泊登山にここを選ぶ人も多いのではないでしょうか。
富士見平小屋

小屋のすぐ下に水量豊富な水場があります。瑞牆山の花崗岩で磨かれた湧き水が飲み放題です。この水場の存在がまた、富士見平小屋の人気の一員であるように思えます。冷たくてうまし。
富士見平小屋の水場

ここまでくれば、ゴールまではもあと一息です。頑張って歩きましょ言う。
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森の中には、早くも薄っすらと西日が射しこみ始めつつありました。なんやかんやで、丸一日を費やした山行きでありました。
220604小川山-088

16時5分 瑞牆山荘に到着しました。瑞牆山や金峰山から下ってきた人が合流するため、けっこうな数の登山者が既にバス停に並んでいました。
瑞牆山荘

16時30分発の、韮崎駅行きの最終バスに乗り込みます。1本前の15位30分の便に間に合えば、帰りに増富ラジウム温泉に寄れたのですが、残念ながら最終便なので温泉には寄れません。
220604小川山-090
この瑞牆公園線は、幅員の狭い山道を走るため小型バスでの運行です。そのため座席数は少なく、座れないと1時間半近くたったままで乗ることになります。そうならないためにも、早めに列に並んでおきましょう。

そんな訳でしっかりと1時間半ほどバスに揺られて、18時に韮崎駅に到着しました。走行距離が長いためか運賃は割と高めで、駅までは2,050円です。
220604小川山-091
運賃だけで言うと、瑞牆山荘ではなく川端下バス停に下って、小海線経由で戻ってくる方がまだいくらか安くなります。まあ、遠回りになるので時間は余分にかかりますが。

さしたる待ち時間もなくタイミングよくやって来た鈍行列車に乗り込み、長い長い帰宅の途につきました。
220604小川山-092

登った経験のある人が口をそろえて地味であると言う感想を述べる小川山は、いかにも奥秩父らしい幽玄なる森の中に静かに佇んでいました。確かに山頂は恐ろしく地味ですが、長野側にも山梨側にも、山頂に到る道中に多くの見所が散りばめられていました。
小川山は、決して地味山などではありません。こうして歩いてみて、あらためて自分は奥秩父の山雰囲気が好きなだと言うことを実感しました。
どちら側から歩いてもそうとう山深い場所であることに違いはありませんが、やはり表と裏の両方の魅力に触れると事の出来る縦断コースを断然お勧めします。奥秩父の真の魅力に触れに、小川山まで繰り出してみては如何でしょうか。

<コースタイム>
川端下バス停(9:15)-金峰山荘(10:05)-小川山(12:50~13:05)-八丁平(14:25~14:35)-富士見平小屋(15:30)-瑞牆山荘(16:05)

220604小川山-093

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. もうもう より:

    オオツキ様

    小川山とはマイナーですね!

    瑞牆山から金峰山まで日帰り縦走したことが有るので知っていても良さそうですが、記憶に無い山です。

    でも、奥秩父ならではの苔むした登山道は好きで、お気に入りのエリアです。

    • オオツキ オオツキ より:

      もうもうさま
      コメントをありがとうございます。

      金峰山や瑞牆山の山頂からすぐ隣に堂々と見えている山なのですけれど、いかんせん特徴が無さ過ぎて誰も気にかけない不遇の頂です。

      いぶし銀のような一座ですが、奥秩父の森の雰囲気が好きな人には確実に刺さる山だと思います。

  2. KANA&CO より:

    おおつき 様

    初めまして。たまたま鶏冠山の記録からこちらの記録を拝見させて頂きました。

    何と、上手な小川山の魅力の伝え方なのでしょう✨瑞牆山金峰山へ行ってみたいと勇み足な気分でしたが…小川山に行きたくなりました‼️

    あやうく小川山を山頂眺望のないただ地味な山として片付けるところでした

    勝手ながらこの場でお礼を申し上げますありがとうございます
    これからも素敵な目線の山ブログ楽しみにしております

    • オオツキ オオツキ より:

      KANACOさま
      コメントを頂きましてありがとうございます。

      小川山のいぶし銀のような魅力が伝わったようで、冥利に尽きます。小粒ながらも良い山であることは保証いたしますが、瑞牆山金峰山へ行こうとしていたのであれば、まずはそちらを優先された方が良いかと思います。どちらも間違いのない名峰ですから。

      小川山の事は、たまにで良いので思い出してあげてください。