青海黒姫山 日本海を見下ろす飛騨山脈北端の山

青海駅から見た青海黒姫山
新潟県糸魚川市にある青海黒姫山(おうみくろひめやま)に登りました。
飛騨山脈(北アルプス)北端の海際近くにある独立峰です。石灰岩によってできた山で、大正時代より鉱山として開発が行われており、現在進行形で山容が変化し続けています。川縁から岩壁が切り立った急峻な山容を持ち、古くから信仰の対象となって来た修験の山でもあります。
遠路はるばる日帰りで、日本海を望む山を巡って来ました。

2024年6月26日に旅す。

青海黒姫山は飛騨山脈が日本海に向かって沈み込む末端部である、親不知海岸の近くに立つ山です。麓から見上げるとかなり目立つ姿をした独立峰ですが、全国区の知名度はなく知る人ぞ知るマイナーな一座です。
日本海ひすいラインの車窓から見た青海黒姫山
だいぶ以前から登りたい山リストの片隅に入っていた山でしたが、わざわざ東京から日帰りで出向くには少々遠すぎるため、自然と後回しになっていました。

それがなぜ今になって登る気になったのかと言うと、全国的に雨模様の予報が続いており、比較的天気が良さそうな場所が日本海沿岸くらいしかなかったからです。

黒姫山は山全体が石灰岩からなる山です。大正時代より鉱山として大々的に開発されており、現在でも国内有数の採掘量となっています。
青海黒姫山 デンカの石灰石工場
山の麓にはデンカ株式会社の物々しい巨大工場が立ち並び、武甲山のように山頂までは削られていませんが、日に日に山容が変化してます。

晴天を求めて、遠路はるばる日本海の見える山まで遠征してきた梅雨時の一日の記録です。結局、天気の方はそこまで良くはありませんでしたけれどね・・・
青海黒姫山の山頂から糸魚川の市街地を見下ろす

コース
青海黒姫山のコースマップ
えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの青海駅(おうみえき)から黒姫山を往復します。

この山に公共交通機関を利用して登る人は圧倒的に少数派であろうかと思いますが、駅から清水倉登山口までは約5.5kmの舗装道路歩きです。途中にある大沢バス停まではバスで入れるので、それを利用すれば多少の短縮は可能です。

1.青海黒姫山登山 アプローチ編 新幹線で行く日本海沿岸への旅路

6時18分 JR東京駅
なにしろ日本海側にある山です。東京から日帰りで登りに行こうと思ったら、新幹線に乗る以外の選択肢はありません。と言うより、糸魚川にある山に普通に日帰り登山が出来てしまう事実にまず驚きます。
東京駅の新幹線ホーム
あらためて新幹線は夢の超特急なんだなあと思わされます。運賃はとっても高いけどね。夢をかなえるためには、いつだってお金が沢山必要なんです。

8時43分 いつものように発車するなり完全爆睡している間に、つつがなく糸魚川駅に到着しました。JR西日本との境界を跨いでいるからなのか、長野県を過ぎるといきなり運賃価格が跳ね上がるんですよね。
糸魚川駅の新幹線ホーム

目指す黒姫山は、糸魚川駅の窓からすでに見えています。標高1,200メートル少々でしかない山ですが、海際から屹立しているため標高差自体はそこそこあり、決して容易には登らせてくれない山です。
糸魚川駅から見た青海黒姫山

黒姫山から姫川を挟んだ向かいに、雨飾山(1,963m)の姿も見えます。ほとんど存在自体を認知されていないであろうドマイナーな黒姫山とは違い、こちらは全国区の知名度持つ人大気の山です。
糸魚川駅から見た雨飾山
比較的近隣にある山ながら、ここまで人気と知名度に差がついたのは、やはり日本百名山のブランドパワーによる所が大きのだろうか。

えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインに乗り換えます。かつてはJR北陸本線と呼ばれていた路線でしたが、北陸新幹線の開業に伴い並行在来線として第三セクター化されています。
糸魚川駅の在来線改札

9時1分発の泊(とまり)行きに乗車します。お隣の青海駅まで1駅だけの移動です。
糸魚川駅の在来線ホーム

姫川の対岸に立つ黒姫山は、糸魚川市内から見るとかなりの存在感があります。古くから信仰の対象でもあったというのも納得の姿です。
日本海ひすいラインの車窓から見た青海黒姫山

9時7分 青海駅に到着しました。かつてはデンカの青海工場間と路線がつながっていて貨物輸送が行われていたとのことですが、現在定期貨物列車は運行しておらず、広々とした敷地は雑草に覆われていました。
青海駅のホーム

駅の跨線橋上から見ると、黒姫山はすぐ目の前にあります。相当近いように見えますが、登山口となる清水倉は駅から見て山の裏側にあるため、アプローチの段階で結構な距離を歩くことになります。
青海駅から見た青海黒姫山

反対側は海です。青海駅の先には親不知(おやしらず)と呼ばれる海際の断崖絶壁が連なっており、古くから交通の難所として知られています。
青海駅から見た日本海

今では僅かな利用者しかいない無人駅ですが、貨物線が残っているためかなり巨大な駅構造です。黒姫山に興味を持たなかったら、恐らく訪れる機会はなかったであろう静かな駅です。
青海駅の駅舎

2.デンカ青海工場を横目に歩む、清水倉登山口までの道程

9時15分 身支度を整えて行動を開始します。登山口まではおよそ5.5kmの舗装道路歩きです。
240626青海黒姫山-014

駅前に道標などの案内は一切ありませんでしたが、何しろ目的地は最初から見えているので、まず迷う事は無いはずです。道なりに進みましょう。
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北陸新幹線と北陸自動車道の高架が並んで頭上を横切っています。この先に難所の親不知が控えているため、あらゆる交通網が所狭しとひしめいています。
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高架の下をくぐると、物々しい工場地帯が現れました。
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デンカ株式会社の青海工場です。黒姫山の石灰石鉱山で採掘された石灰を加工して、セメントやカーバイトなどを製造している工場です。
デンカ株式会社の青海工場

工場の敷地の脇を進みます。現在は糸魚川市の一部となっている旧青海町は、海際近くにまで迫る山と海の間に挟まれた小さな町でしたが、町の半分くらいはデンカの敷地なのではないかと思う位に巨大な工場です。
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地域経済的にもデンカの存在は圧倒的であり、あえて御幣を恐れずに言えば旧青海町とはすなわちデンカであると言ってしまっても差し支えがなさそうなくらいの存在感です。

この道は中部北陸自然歩道なるルートの一部に組み込まれています。調べてみたら総延長が4,091kmもある長大な歩道でした。東海自然歩道よりもぜんぜん長いではありませんか。
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排気弁でも何でもないパイプから蒸気が噴き出しているように見えるのですが、これ大丈夫なんですかね。いや、歩道のすぐ脇にあるので、破裂でもされた日には破片が飛んで来そうで純粋に怖いんですけれど。
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駅から30分程歩いたところに大沢バス停があります。かつてはこの大沢から登れる登山道も存在したらしいのですが、その後に鉱山開発に伴い今では閉鎖されています。
大沢バス停

通勤するデンカ社員のためだけに存在していそうなバス停ですが、運行本数自体はそこそこ多めです。もしタイミングが合うようなら、帰路はここからバスに乗ることにしましょう。
大沢バス停の時刻表

かつてはこのデンカ青海工場から青海駅へと直通している貨物用の専用線が存在しましたが、現在は廃止されており鉱山から工場内へ石灰石を運ぶ線路だけが残っています。
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残っている線路は今でも現役で、実際に石灰石の運搬に使用されています。車両が通る所を見てみたい気もしますが、時刻表が公開されているわけでもないので、そもそもいつ通るのかもわかりません。
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ここまで歩いてきて、ようやく黒姫山の名前が道標上に現れました。登山口まではここからまだまだ歩きます。
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石灰石運搬用のベルトコンベアが川を跨いで鉱山と直結しています。24時間常に稼働しているらしい。
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工場地帯を抜けると、青海川沿いの渓谷に沿ってさらに奥地へと道が続いていました。青海川はヒスイが産出することで有名な河川で、えちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインと言う名称もここから来ています。
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見上げる高さの断崖絶壁が連なる、糸魚川ジオパークの圧巻の光景です。かつては修験の山だったという事実が示す通り、黒姫山はかなり急峻な山で、標高の割には防御力が高めです。
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この舗装道路歩きがとにかく長い。いろいろと見所はあるのですが、それにしたって途中でダレて来ます。
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登山口の案内が現れたところで、左の横道へ入っていきます。
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橋で青海川を渡った対岸に登山口があります。何やら倉庫のような建物が建っており、そこへ出入りするために架けられた橋であるようです。
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橋の上から川の下流方向を見ると、川縁から石灰岩の岩壁が切り立っていました。ちなみに山頂は右奥の方にあり、ここから直接は見えません。
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反対側の上流方向には水力発電所の施設が見えます。こちらもデンカ株式会社のもので、青海工場で使用される電力のうちおよそ3割ほどを自家発電により賄っています。
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対岸の建物はリサイクルセンターのもので、道を挟んだ向かいに登山者用の駐車スペースも存在します。
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10時35分 駅から1時間20分かけて、清水倉登山口まで歩いて来ました。これは写真を撮りながらチンタラ歩いた結果なので、気張って歩けば1時間少々くらいに短縮できると思います。
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登山口にある案内板には、登り5時間下り2時間50分という結構お重めのコースタイムが提示されています。標高1,200メートル少々の山にこのコースタイムはいささか大げさなので、実際はもう少し短縮できるだろうと見込んでいます。
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3.深い森と急登が続く登山道

前日は雨だったこともあり、地面がしっとりと湿っています。登りはともかく、下りでは滑りやすくて難儀しそうなコンデションです。
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青海黒姫山にはかつて複数の登山道が存在しましたが、鉱山開発が進むにつれて閉鎖されてゆき、現在は清水倉コースが唯一のルートとなっています。一つしかないメインルートと言うだけあって、登山道は良く整備されています。
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登り始めてからしばしの間は、ほぼ水平移動に近いような緩やかな道が続きます。ウォーミングアップにはちょうど良いと言いたいところですが、登山口までの舗装道路歩きでもう十分過ぎるほどに体は温まっています。
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渡渉とも言えないような小さな水流を跨ぎます。きっとこの先で靴は泥まみれになるでしょうから、下山時にここで洗っていくことにしましょう。
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本格的な登りが始まりました。いっちょう気合を入れていきましょう。
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11時25分 登り始めて50分程で、最初のチェックポイントとでも言うべき一本杉峠に到着しました。名前とは裏腹に峠にはなっておらず、普通に登り坂の途中にあります。
青海黒姫山 一本杉峠

これが名前の由来になっている一本杉なのかな。枝打ちもされず好き放題に枝を生やしているので、植林されたものではなく天然杉なのでしょう。
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一本杉峠を過ぎると、豪雪地帯の山特有の、雪の重みに負けて横向きに伸びた樹木の姿が目立つようになりました。
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急な場所にはトラロープが垂らされています。登る時には特に必要なさそうですが、下山時にありがたく活用させてもらいましょう。
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少しだけ展望が開けている場所がありました。見えているのは飛騨山脈北端付近の山のはずですが、どの辺りなのかイマイチよくわかりません。
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一目で石灰岩だと分かる白い石の姿が目立ちます。黒姫山は山のほぼ全体が石灰岩で出来ており、その推定埋蔵量は50億トンとも言われています。
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唐突に50億トンと言われてもピンとこないと思いますが、秩父の武甲山の推定埋蔵量は4億トンくらいだと言われており、10倍以上はあることになります。

今度は子宝杉と書かれた標識が立っています。杉の木があるようには見えませんが、どれのことを言っているのかな。
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標識から少し離れた崖際に、複雑に枝分かれした杉が立っています。恐らくはこれのことを言っているのでしょう。
青海黒姫山の子宝杉

子宝杉を過ぎると急登は一旦終わり、トラバースに移りました。道自体が崖側に斜めっている上に、横向きに伸びた木の枝に侵犯されていてかなり歩きづらいです。ここはゆっくりと慎重に突破します。
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12時30分 金目平まで登って来ました。名前の通りそこそこの広さがある平坦地となっており、ザックを落として休憩するのに適している場所です。
青海黒姫山 金目平

標識には山頂まであと2時間とありますが、これは少々大げさで実際そこまではかかりません。あとだいたい1時間ちょっとくらいです。
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金目平には水場があります。季節によっては枯れることもあるようですが、この日はしっかりと水流がありました。冷たくておいしい。
青海黒姫山 金目平の水場

4.黒姫山登山 登頂編 日本海を見下ろす絶景の頂へ

先へ進みましょう。相変わらず湿っぽくて、まるで密林のような濃い森が続きます。海から近く湿った空気がぶつかりやすい位置にある山なので、もともと降水量自体が多いのでしょう。
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なかなか際どいトラバースもあったりと、修験の山らさがしっかりとあります。総合的な難易度で言うと、中級以上の山であると考えた方が良いと思います
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13時 西ノ河平と呼ばれる地点まで登って来ました。山頂に向かってここから再び急登が始まります。ラストスパートをかけていきましょう。
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水の無い涸れ沢を直接歩くように、小さな谷沿いを進みます。ここに来てなかなかワイルドな道になって来ましたぞ。
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登るにつれて谷の幅が狭まって来ました。そろそろ源頭部が近そうな雰囲気です。
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最後の方は這い上がるのに一苦労するような大きな段差になっていました。トラロープを活用しつつ、頑張って何とかよじ登りました。
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涸れ沢を登りきると、頭上が大きく開けて青空が見えました。絶景の予感に期待が深まります。
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ようやく山頂がお目見えしました。今のところまだ晴れてはいますが、だいぶ雲が湧いてきています。
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眼下に糸魚川の市街地と日本海の大海原が広がります。実に素晴らしい。こう言う海が見える山は、個人的に大好物です。
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稜線上は石灰岩に覆われています。大きさが不ぞろいでデコボコしており、何気に歩行に難儀します。
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山頂はもうすぐ目の前にあると言うのに、あまりにも歩きにく過ぎてなかなか歩みが進みません。もどかしさに耐えつつ、ジリジリと一歩ずつ前進します。
240626青海黒姫山-065

悪戦苦闘しつつ、ようやく山頂まで辿り着きました。すっかり曇り空になってしまいましたね。
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13時40分 黒姫山に登頂しました。標高の割にはキツイ山であると言う前評判に違わず、なかなか骨のある道のりでした。
青海黒姫山の山頂

山頂の周囲は雲に覆われつつありましたが、下界は晴れていて海が良く見えます。山頂が虚無の世界と化して展望を台無しにされてしまう前に、何とかギリギリ間に合いました。
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糸魚川駅の駅舎も良く見えています。駅から黒姫山の姿が良く見えていた訳ですから、当然ながら逆もまたしかりです。
青海黒姫山から見た糸魚川の市街地

親不知海岸方面の眺めです。飛騨山脈の北端が海際のギリギリにまで伸びている様子が良く分かります。
240626青海黒姫山-070

姫川を挟んだ向かいの東側には、雨飾山や頚城山塊の山々などがあるはずですが、すっかりと雲に覆われていました。まるで黒姫山の周辺だけが、何かの力に守られているかのような状態です。
240626青海黒姫山-071

南側には朝日岳や雪倉岳と言った、飛騨山脈北部の山々が連なっているはずですが、こちらも完全に雲隠れしていて見えません。晴れ間を求めて遠路はるばる新潟まで遠征してきたというのに、少々残念な展開です。
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山頂には奴奈川姫(ぬなかわひめ)を祀った小さなお社があります。古事記に登場する高志国(現在の福井県と新潟県の辺り)の姫だったとされており、新潟では古くから地元の神様として親しまれている存在です。
240626青海黒姫山-073

裏側を見てみると、このまだ新しい立派なお社はデンカの寄贈品でした。やはりデンカこそが青海なのか。
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雲が抜ける瞬間が無いかと山頂で少し粘りましたが、晴れるどころかどんどん雲行きが怪しくなって来ました。諦めて下山を開始します。

5.黒姫山登山 下山編 泥濘に苦労しつつ、もと来た道を引き返す

下山を開始するなり、山頂はすっかりと虚無に覆われてしまいました。私が登頂したのは、まさに山頂がガスに覆われてしまうギリギリのタイミングであったようです。
240626青海黒姫山-075

下界は相変わらず晴れており、眼下の海は良く見えています。山の上の方だけが雲に覆われてしまっている状態で、夏山にはありがちな空模様です。
240626青海黒姫山-076

ピストンなので下山は脇目も触れずにサクサクと行きたいところですが、地面が濡れていてかなり滑りやすいコンデションなので、むしろ下りの方が正念場でした。
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下山時には殆ど写真も撮らなかったのですが、こちらは登っている時には気が付かずにスルーしていた夫婦縄文杉です。
青海黒姫山の夫婦縄文杉

17時15分 途中で何度も滑って転びそうになり、悪戦苦闘しつつ登山口に戻って来た時には、既に辺りは薄暗くなりつつありました。
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そしてここからがまた長い。黒姫山は駅から直接歩い登れないこともない山ではありますが、この下道歩きの長さはやはり敬遠されるらしく、マイカーで登りに来る人の方が大多数です。
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岩壁に鍾乳洞らしき横穴がいくつも開いています。鍾乳洞と言うのは基本的に石灰岩質の山にしか形成されませんが、山全体が石灰岩でできている黒姫山には、未発見のものも含めて相当数の鍾乳洞が存在しているはずです。
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18時10分 大沢バス亭まで戻って来ました。なお、直近のバスの発車時刻は18時5分です。5分前の出来事ですね。・・・頑張って駅まで歩きましょうか。
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どこかサイバーパンク風の雰囲気が漂う工場群を横目に、トボトボと駅への道を歩きます。こんなことなら、もっと真面目に時刻表の時間を憶えておくんだった。
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なんか煙突から火を噴いていますけれど、ガス抜き孔かなにかですかね。
240626青海黒姫山-084

18時30分 青海駅まで戻って来ました。なんだかんだで丸一日を費やしたガッツリ登山でした。
240626青海黒姫山-085

朝にはあれほどよく見えていた黒姫山の山頂は、すっぽりと雲に覆われていました。結局あのまま天気は回復しなかったようですな。
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6.日本海へと沈む夕日を鑑賞する

次の糸魚川方面の電車は19時19分発で、まだ時間に余裕があります。そういう事であれば海を眺めに行きましょう。
240626青海黒姫山-087

駅から海岸までは、殆ど目の前と言って良いくらいの距離しか離れていません。なんなら大シケの時には、普通に駅の目の前まで波が押し寄せて来そうな距離感です。
240626青海黒姫山-088

海岸沿いに歩道が整備されており、東屋がポツンと建っていました。とりあえずはここでいつものお約束のセリフである「ヒャッハー、うみだー!」を叫んでおく。
240626青海黒姫山-089
ちなみに念のため一つ付け加えてくと、毎回本当に叫んでますよ。周囲に人が居ないタイミングを見計らってはいますけれどね。

沖合の彼方に能登半島の先端辺りが見えています。だいぶ低い位置に雲が垂れ込めていますが、この僅かな隙間からなんとか日本海に沈む夕日が見られるかな。
240626青海黒姫山-090

西側の親不知方向を見ると、海際のギリギリにまで山が迫っている様子が良くわかります。現在の道はトンネルなり海の上にはみ出すなりしてこの悪地形を克服していますが、昔の旅人たちはどうやって通行していたのだろうか。
240626青海黒姫山-091

そして迎えた日没時刻。期待していた通り、雲と水平線の隙間から夕陽を見ることができました。
240626青海黒姫山-092

陽が沈んだ後も、暫しの余韻に浸ります。いい色にやけてますねえ。・・・ところで、今何時だっけか。もう19時15分?
240626青海黒姫山-093

余韻に浸り過ぎて時間ギリギリになってしまい、慌てて駅へと駆け戻るのでした。何故私はこうも毎度のように、最後は駆け足になってしまうのか。
240626青海黒姫山-094

駅の階段を駆け上がり駆けおりて、何とか滑り込みで間に合いました。何事もギリギリなのは良くないですね。
240626青海黒姫山-095

わざわざ糸魚川まで来て日帰りするのはもったいないので、本当は翌日に雨飾山にでも登りたかったのですが、翌日の天気予報があまり芳しくはありません。再び夢の超特急に乗り込み、東京への長い帰宅の途に付くのでした。
240626青海黒姫山-096

慌ただしい日帰り弾丸の行程で敢行された青海黒姫山登山は、こうして無事に終了しました。この山に東京から日帰りで登りに行こうとする人が果してどれほど存在するのかは疑問ですが、ご覧いただいた通り十分可能ではあります。
標高の割に登り応えがある山ですが、山頂からのオーシャンビューは大変素晴らしく、近隣にお住いの人には自信をもって勧めできる一座です。紅葉が見事であるとの話も耳にするので、ベストな訪問のタイミングは秋であると思います。
この山に登るためだけに出向くにはいささか遠い山ですが、親不知観光などと組み合わせて訪れてみては如何でしょうか。

<コースタイム>
青海駅(9:15)-大沢バス停(9:40)-黒姫山登山口(10:35)-一本杉峠(11:25)-金目平(12:30)-西ノ河平(13:00)-黒姫山(13:40~14:10)-金目平(15:35~15:45)-一本杉峠(16:35)-黒姫山登山口(17:15)-大沢バス停(18:10)-青海駅(18:30)

青海黒姫山山頂での記念撮影

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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