静岡県沼津市にある沼津アルプスを歩いて来ました。
静浦山地と呼ばれる、奥駿河湾のすぐ傍らに立ち並ぶ低山の連なりです。低山ながらもアップダウンが激しく、登り応えのあるハイキングコースとして人気があります。一般的には、沼津市街地の傍らにある香貫山から最高地点の鷲頭山にいたる区間が良く歩かれていますが、その先には通称裏(奥)沼津アルプスと呼ばれる領域が広がっています。
裏から表へと、キツイと評判の沼津アルプス全山を縦走してきました。
2023年1月5日に旅す。
沼津アルプスは最近日本全国各地に増殖中の、いわゆるご当地アルプスのはしり的な存在です。最高地点の標高が400メートルに満たない純然たる低山ですが、道中のアップダウンが激しく何気にキツイ縦走路として名高い存在です。
沼津アルプス縦走と言えば通常は、多比バス停もしくは黒瀬バス停からスタートして香貫山から鷲頭山の区間を歩くのが一般的です。このコースは通称、表沼津アルプスと呼ばれています。
ことさら表と表現されることからも察せられる通り、沼津アルプスには裏のエリアが存在します。奥沼津アルプスとも呼ばれる、茶臼山から大平山に至る区間です。
裏沼津アルプスエリアの一帯は、表エリア程には歩く人もおらずひっそりとしており、ハシゴや岩場が連続するアスレチックなコースとなっています。
表と同様にアップダウンも激しく、一筋縄ではいかない道のりです。歩き応えを求めるごく一部の好事家達だけが訪れる、極めてマイナーなルートです。
アップダウンの連続に打ちのめされ、だいぶヘロヘロになりつつも、裏から表を繋げて沼津アルプスの全山を縦走してきました。
季節外れの夏休みを取得し、丸一日をかけて沼津アルプスを満喫してきた記録です。いざ、レッツ サマーバケーション!
コース
伊豆箱根鉄道の木原駅(ばらきえき)よりスタートして、茶臼山登山口から大平山までの奥沼津アルプスエリアを縦走します。太平山からは、過去にも一度歩いた事のある表沼津アルプスの山々を縦走して香貫山まで歩きます。
沼津アルプスの全山を縦走する充実の行程です。
1.沼津アルプス登山 アプローチ編 新幹線で行く沼津への旅路
6時20分 JR東京駅
果たして沼津とは、東京から新幹線で行くべき距離なのか否か。所要時間的に極めて微妙なラインであり、悩みの尽きない命題ではあります。自分の中では既に議論は尽くされており、今回は少しの躊躇もなく新幹線を選びました。
世間一般ではすでに正月休みは終わっており、本日は平日です。東京駅は通勤客で溢れており、一目で遊び行くところだとわかる格好している私は、何となく居心地の悪さを感じます。
7時22分 快適な新幹線の座席でうつらうつらとしている内に、新幹線はつつがなく三島駅へと到着しました。
本日はこれまでずっと取れずにいた夏休みを取得しております。夏休みと言う言葉の定義が揺らいでしまいそうですが、ともかく今日は、ぼくの夏休みなのです。
裏沼津アルプスの入り口は、伊豆箱根鉄道駿豆線の木原駅が最寄り駅となります。という事で、沼津駅には向かわずに三島駅で乗り換えます。
駿豆線は未だに交通系ICカードには対応しておらず、JRから乗り換える場合は一度改札出をてから切符を買う必要があります。
同じ伊豆箱根鉄道でも、大雄山線はしっかりICカードに対応していたんですけれどね。同じ運営会社なのに、路線によって対応状況が違うのはなぜなのだろう。
7時20分 原木駅に到着しました。ホームに降り立った登山者風の格好をしている人は私一人だけでした。裏沼津アルプスには、あまり人気はないのでしょうか。
駅の周りには畑が広がっており、ホーム上に寒風が吹いていました。ハードシェルジャケットを着込みネックウォーマを付けて寒さを凌いでいる私の姿に、夏休み感は微塵にもない。
2.手軽に登れて眺めも良い大嵐山(日守山)
身支度もそこそこに行動を開始します。特に道標などの案内はありませんが、改札を出たら道なりに真っすぐ進み、突き当りの信号を右折して、その後すぐに左折します。
ほどなく前方に狩野川の堤防が現れるので、階段を登って土手の上に出ます。
登るなり、前方に富士山がドーンと見えました。空は雲一つない快晴で、絶好の登山日和です。そのかわり凄く風が冷たいけれど。
伊豆方面から見た富士山は、山腹に宝永噴火口がポッカリと口を開けているのが最大の特徴です。手前に見えている山は愛鷹山ですね。
狩野川にかかる石堂橋を渡って対岸へ移動します。なかなか年季の入っていそうな曲弦ワーレントラス橋です。
伊豆半島中部を潤す狩野川です。天城山を水源としており、この先で沼津市内を通って駿河湾に注いでいます。冬は比較的水量も少なく穏やかな流れですが、過去に幾度となく氾濫を繰り返してきた暴れ川です。
橋を渡ったら上流方向へ進みます。登山口は道の右手にあるので何処かで渡る必要がありますが、切れ目なく車がやってくる上に横断歩道すらなく、タイミングを計るのに難儀しました。
土手の下に歩道用のトンネルを掘ってくれればいいのにと思うも、それじゃあ堤防の意味がなくなるやんけと一瞬でセルフ突っこみが入りました。
裏沼アに登る登山者にくらいにしか需要が無いかもしれませんが、歩道橋を作ってくれませんかねえ。
8時15分 茶臼山登山口に到着しました。ここから山道へと分け入って行きます。
箱根の外輪山を思わせるような、笹竹に覆われた道です。箱根とは距離的にも近く、火山岩由来の土壌である点も共通しているため、植生も似通っています。
1月に入ってもまだなお、紅葉の名残が残っていました。冬でも比較的温暖な気候の伊豆地方の、標高100メートルちょっとの場所ですからね。
まだ登り始めて30分と経過していませんが、早速一つ目のピークが現れました。
8時35分 茶臼山に登頂しました。標高は僅か128メートルの、奥沼津アルプス最初の一座です。
山頂からは僅かに視界が開けており、麓の町が見えます。奥に連なっている山並みは丹那山地と呼ばれる山稜で、箱根から伊豆半島の北部まで連なる一連の火山群です。
里に近い山だけに、救急車の音やら配達のカブの音やら、麓の生活音がすべて聞こえてきます。
茶臼山からは一度しっかりと下ります。アップダウンが激しいことで知られる沼津アルプスの片鱗が、早くも顔を覗かせ始めましたよ。
前方に見ているのが、奥沼津アルプス第二の頂である大嵐山です。山頂に展望台があって眺めが良く、そこそこ人気のある山らしい。とてもそんな感じには見えませんが、期待して行ってみましょう。
急な場所にはトラロープが張ってあります。最初から最後まで一貫して変わらない、沼津アルプスの登山道の特徴であると言えます。
登山開始からおおよそ1時間が経過したところで、大きく視界の開けた場所に出ました。
9時10分 日守山に登頂しました。双眼鏡付きの展望スペースまで備わった立派な山頂です。
ちなみにこの山、国土地理院の地図上で大嵐山と言う名称になっています。山と高原地図では大嵐山(日守山)となっており、どちらも正しい名称であるようです。
山頂に桜の巨木があました。やはりどう考えても、この山域のベストな訪問時期は春でしょう。少なくとも、1月に夏休みを取得して登るべき山ではなさそうです。
山頂にはザックすら背負っていない軽装の人の姿が多く目につきます。普段は地元の人が、朝の散歩がてらに登ってくる場所なのでしょう。
展望台の上からは、正面にドーンと富士山の姿が見える・・・はずでしたが、雲に隠れてしまいましたね。朝の時点ではあんなによく見えていたのに、なんてこったい。
富士山の右手には、天下の険こと箱根山が横たわります。超すに越されぬ大井川と共に、かつては東海道を行く旅人の前に立ちはだかっていた障壁です。
これから歩く沼津アルプスの山並みです。左の方に二つ並んでいるピークが大平山と鷲頭山です。ギコギコとアップダウンが激しそうなのがここからでも一目瞭然ですね。
ゴール地点の香貫山も見えています。うーん、遠いいですなあ。背後には冠雪した南アルプス南部の山も良く見えます。
3.大平山へと続く、アスレチックな険路を行く
9時30分 まだまだ先は長いので、そろそろ行動を再開しましょう。太平山方面へ進むには、この柵の隙間を通ります。「え?本当にここであってるの?」と聞きたくなるような場所ですが、ここであっています。
沼津アルプスらしさはここでも健在で、ロープに沿って一度大きく下ります。
昔の石切り場の跡らしき、垂直にカットされた岩の断面が残っていました。落ちたらただでは済まないくらいの落差があるので要注意です。
若干足場の怪しいトラバースなどもあったりしますが、今のところはまだアスレチックだとは言えないレベルです。結構危ない場所もあると聞いて身構えていたのですが、いたって普通の登山道です。
さざれ石(君が代)と書かれた岩がありました。君が代の歌詞中に出て来るさざれ石とは、具体的にはこういう岩のことなんだよと言いたいのだろうか。
陽だまりのベンチスペースがあったので、腹ごしらえがてらに小休止を取りました。朝は震えるような寒さでしたが、こうして陽が当たると暖かくて気持ちが良い。
前方の彼方に見えているのは方角的に天城山系でしょうかね。あちらはだいぶ雲が湧いてきています。
この付近はあまりアップダウンもなく、一時の安息のような尾根歩きが続きます。この後にまたしっかりと登って降りてさせられるので、心配(?)は無用です。
再び大きなさざれ石です。ここから新城バス停方面へエスケープすることも出来ますが、この時点で離脱する人はあまりいないでしょう。
この分岐地点を越えた先からが、裏沼津アルプスの真骨頂とでも言うべき岩場地帯となります。気を引き締めてまいりましょう。。
尾根を塞ぐ岩が現れました。この隙間を通り抜けるのですが、笑い話ではなく私がこの日一番苦戦したのここです。狭すぎて挟まって動けなくなるかと思いましたよ。
狭い隙間を何とか突破すると、今度はハシゴ発見との文言がありました。「この先にハシゴあり」等では無く、ハシゴ発見なのが面白い。設置した人の遊び心を感じます。
ごく普通の梯子を二つくくりつけて延長しており、結構な高さがあります。なお、先ほどのハシゴ発見の看板の脇に、巻き道もしっかりと存在します。
高さはせいぜい3~4メートルくらいです。足を乗せるスタンスも豊富にあり、特に難しい要素はありません。
再びモリモリと急登で標高を上げ始めました。相変わらず、九十九折れも何もない一直線の登山道です。
少し視界が開けて、前方にいつの間にかだいぶ近くになった大平山の姿が見えました。
富士山の方は相変わらず雲隠れ中です。まるで嫌がらせのようにピンポイントで、富士山だけを覆い隠すように雲が湧いていました。ぐぎぎぎぎ。なんと言う空気を読まない雲なのでしょうか。
大平山への最後の登りは、踵が痛くなるような急勾配です。名前に平と言う文字が入っている割には、まったく平ではない山ですね。
良い感じに息も絶え絶えになってきたところで、ようやく山頂が見えました。
11時10分 大平山に登頂しました。裏沼津アルプスと呼ばれているのは。この太平山の山頂までです。この先は表沼アルプスの領域となります。
ここから先はもう、過去に一度歩いたことのある領域となります。過去に一度詳細にレポートしているので、軽めにさらっと流して行きます。
4.尽きることの無いアップダウンが続く、表沼津アルプスを行く
大平山からはまたもやガッツリと標高を落とします。ええ、別に今更動じたりはしません。沼津アルプスとはそういうものです。
大平山は基本的に展望が一切ありませんが、山頂から少し下った地点に一ヵ所だけ富士山のビュースポットがあります。相変わらず雲にまかれてはいますが、何となく姿を現しつつありました。ここからのV字回復なるのか。
多比口峠まで下って来ました。前回訪問した際は、多比バス停からスタートしてここから登って来ました。
ここまで歩いて来て、ようやく海が見えました。俺たちの夏休みが始まった感が盛り上がって来ましたよ。夏休みと言えばやはり海でしょう。海風がありえないくらいに冷たいけれどね!
ちなみに多比口峠はまだ大平山と鷲頭山間の最低鞍部ではなく、そこからさらに下ります。鞍部の一帯は痩せた岩尾根になっていました。
この木は一度強風で根こそぎなぎ倒されたのに、その後しぶとく生き延びたのでしょうか。完全に横向きにあっていてもなお、しっかりと根を張っていました。驚異的な生命力ですね。
前方に鷲頭山が見えて来ました。見るからに勾配のがキツそうな姿をしています。流石にここを直登は出来なかったと見えて、登山道は右側から回り込みます。
大平山と同様に、山頂の直下はかなりの急勾配です。いっちょう気合を入れて行きましょう。
山頂まで登って来ました。春に訪れた際には桜満開で人が溢れていた山頂も、今の季節は静かなものです。
12時 鷲頭山に登頂しました。標高400メートルにも満たない山ですが、これでも沼津アルプスの最高峰です。残念ながら、展望はあまりありません。
山頂から再びガッツリと標高を落とします。沼津アルプスとはそういうものです。大事な事なので2度言いました。
鷲頭山から大きく下った後に僅かに登り返した地点が小鷲頭山です。こちらのほうは、沼津港方面の展望が僅かに開けています。
千本浜のアーチはいつ見ても美しいですね。おかげで気分はもう、完璧すぎて非の打ちどころがないサマーバケーションです。とりあえずはここで、いつものお約束のセリフである「ヒャッハー、海だー」を叫んでおく。
既に冬至は過ぎており、日照時間は日に日に長くなりつつあります。つまりもう、季節は夏みたいなものですよ。
富士山も見えますが、状況は変わらずです。今日はもう駄目なのかもしれない。まあでも、夏富士(?)はいつもこんなものですよね。
小鷲頭山からは、またもや大きく標高を落とします。足元には大量の落ち葉が堆積していて、滑りやすくて嫌な感じがします。そして、陽が射さなくなると尋常じゃなく寒い。
急坂を下りきった地点に、中将岩と呼ばれる見上げる高さの大岩があります。これが、さざれ石が巌になった姿なのか。
13時10分 志下峠まで下って来ました。もういい加減歩くのが嫌になったと言う人は、ここからエスケープできます。
お目当ての裏沼津アルプスはすでに踏破しているのだから、私ももうエスケープしても良いと言えばよいのですが、せっかくなのでこのまま香貫山まで歩きます。
正月休みの怠惰と美食により、すっかりとマシマシになってしまった腹の脂を、少しでも燃やさなくては。
志下峠から志下坂峠至る区間が、個人的には沼津アルプスで一番のハイライトです。展望が開けて、海を眺めながら歩くことが出来ます。
奥駿河湾のパノラマビューが広がります。駿河湾て凄くイイですよね。
振り返れば背後には、先ほどの通って来た鷲頭山と小鷲頭山の姿がりました。小鷲頭山からの急降下ぶりがエグイですね。
この付近はあまりアップダウンも激しくなく、実に快適なトレイルです。そうそう、本来ご当地アルプスと言うのは、こう言うのでいいんですよ。
しかしそんな安息は長くはづきません。前方に次なるピークである徳倉山の姿が見えて来ました。アップダウン地獄の再開のお時間です。
13時40分 志下坂峠まで下って来ました。先ほど通て来たのは志下峠で、こちらは志下坂峠です。紛らわしい名前ですね。
気乗りはしませんが、ここからはまたもや一直線に登り返します。沼津アルプスとはそういうものです。大事な事なので3度言いました。
振り返れば絶景。胸躍る光景ですが、しかしここまでのアップダウンの連続で、流石に少々バテてて来ましたぞ。
このまま山頂まで登り詰めなのかと思いきや、インターバルのような平坦な区間に入りました。ただの通り道扱いされがちな徳倉山ですが、なかなかの防御力です。
またもや一直線に登りはじめました。いったい何度目だろうゲンナリしつつ、とにかく前進です。
ようやく山頂が現れました。前回の訪問時にはほとんど印象にも残らなかった場所でしたが、意外にキツイ登りでした。
14時15分 徳倉山に登頂しました。ここまで来れば、残る登り返しはあと二回です。あとたった2回だと受け止めるか、まだ2回も残っているのかと感じのかはあなた次第です。
5.縦走最後の山、香貫山から望む夕日が沈む駿河湾
朝一からずっと歩き通しだと言うのに、もうだいぶ時間が押して来てしまいました。既にだいぶお疲れモードではありますが、少しばかりピッチを上げて行きましょう。
徳倉山からはこれまた一直線にかなり大きく標高を落とします。麓の町がすぐ近くに見えて、実質一度下山しているようなものです。
そこまで下っておきながら、横山に向かってまたもや登り返します。縦走登山とはそいうものです。甘ったれんな、キリキリ登れ。
15時 横山まで登って来ました。これで残すところは後一座、最後の香貫山のみ。
・・・しかしこの斜度だったら普通、道は九十九折れに折り返しませんかね。どこまでも真っすぐに一直線な沼津アルプスなのでした。
15時20分 八重坂峠まで下って来ました。この峠は車道が乗り越えており、通行量もそれなりにあります。
何だかすっかり下山したムードが漂ってしまいそうになりますが、まだもう一座残っております。今日はもうここまでにしてエスケープしようよ
「え?この時間から本当にまた登り始めるのですか」と言う自問自答を振り払い、再び登山口へと足を踏み入れます。乗りかかった舟、いや沼津アルプスです。香貫山まで歩き切らないことには、私の夏休みは完結しないのです。
香貫山は山頂まで車道が通じている山で、登山道とは言ってもこの通り舗装された道です。急登続きですっかりヘロヘロの体には、さほど傾斜のきつくない舗装路は易しくて歩きやすい。
途中から山道に入れますが、もうすっかり急登に嫌気がさしていた私は、このまま道沿いに進むことを選択しました。
前方にレーダアンテナのドームらしきものが見えて来ました。あそこが香貫山の山頂です。最後のもう一息、ラストスパートをかけて行きましょう。
香貫山の山頂には野良猫が大量に住み着いており、こうして逃げもせずあちこちに居ます。皆同じ柄のように見えますが、ひょっとしてお前たちは一匹のゴットマザーを頂点とする兄弟猫か何かなのか。
15時55分 香貫山に登頂しました。沼津アルプス完全縦走を無事にやり切りました。いやはやしんどかった。
一日中富士山を覆い隠し続ていた雲は、だいぶ減ってはいるもののこの時間になってもまだしぶとく残っていました。
沼津漁港の先に、太陽が沈んで行きます。なんやかんやで、結局は丸一日を費やした登山になってしまいましたね。
眼下に沼津の街並みを一望できます。まさに沼津の裏山的な場所です。
背後に、ここまで歩いて来た沼津アルプスの全貌を一望できました。左端の方に見えているのが茶臼山と大嵐山ですね。グルっと回りこむように尾根がつながっているのが良くわかる光景です。
駿河湾に陽が沈む。ここでふと「もうどうせ遅くなったのだから、このまま夕焼けを眺めて行こうぜ」と言う抗い難い誘惑が脳裏をよぎります。
しかしそれをしてしまったら、次は間違いなく「どうせなら夜景も見て行こうぜ」となるに決まっていています。キリがないし、いい加減寒くもなって来たので、やはり暗くなる前に下山しましょう。
6.沼津アルプス登山 下山編 夕闇が迫る前に黒瀬バス停へスピード下山する
16時30分 そうと決まれば急ぎましょう。夕闇が迫る前に、足早に駆け下ります。
サクサクと下って香貫山公園まで下りて来ました。富士山と桜と五重塔と言う、いかにも外国人観光客が喜びそうなこれぞ日本的光景が見られる公園です。
と言っても、富士山は頭の部分だけが僅かに見えるだけなので、新倉山浅間公園に比べるとだいぶ見劣りする感じです。
狙っていたわけではありませんでしたが、香貫山公園からちょうど陽が沈む瞬間を拝むことが出来ました。良い色に焼けてますねえ。
16時55分 黒瀬バス停に到着しました。今日もたくさん歩いて疲れたあ。
駅まで歩いても30分とかからない距離ですが、もう歩くのはお腹いっぱいなので素直にバスを待ちます。時間にもよりますが、沼津駅行きバスは概ね1時間に2~3本あります。
沼津駅に着いた時には、既に周囲はすっかりと暗くなっていました。
帰りは新幹線は使わずに、鈍行列車に揺られて長い長い帰宅の途につきました。
季節外れの私の夏休みは、こうして丸一日低山をほっつき歩いて終わりました。
裏沼津アルプスは少々地味ではありましたが、表のエリアと比べても特別難しいと言うほどの事もなく、単純に延長戦であると考えてよい道程でした。確かに道中に岩場や梯子などがありますが、一般登山道レベルであると思います。
表の沼津アルプスだけでは全然物足りないと言うもの好きな方は、裏エリアにまで足を延ばしてみては如何でしょうか。通しで歩くのであれば、疲労のピークと危険地帯の通過が重ならないように、今回のように裏側からスタートすることを推奨します。
<コースタイム>
木原駅(7:20)-茶臼山登山口(8:15)-大嵐山(9:10~9:30)-大平山(11:10)-鷲頭山(12:00~12:30)-志下峠(13:10)-志下坂峠(13:40)-徳倉山(14:15)-横山(15:00)-八重坂峠(15:20)-香貫山(15:55~16:30)-黒瀬バス停(16:55)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
先日(4月末)こちらの記事を参考に逆ルートで全山縦走してきました。気温の高い日だったのもあり一部(大平山~峠のあたり)虫がすごくて寒い時期のほうが正解かもしれません。写真と文章のバランスがすばらしく大変参考になりました。
ヤマコさま
コメントを頂きましてありがとうございます。
全縦走お疲れさまでした。沼津アルプスは純然たる低山なので、暖かい季節になるとなかなか厳しい環境になりそうですね。
またお気軽にご訪問ください。